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「海の駅から」①

 日本に初めて「駅」が登場したのは、646(大化2)年だという。大化の改新による中央集権政治を確立するため、中国・唐の駅制(駅伝)を導入したことによる。

 都から地方に延びる主要な街道に、一定の間隔(1520キロメートル)を置いて駅を設置した。駅には馬を常備して、中央の指令や文書を伝える役人が、駅で馬を乗り継いで先を急いだ。当時では最速の通信と交通の手段だった。

 やがて駅は宿(しゅく)に代わり、人馬の継立場としてだけでなく、飲食や宿泊など宿場の要素を拡大していく。江戸時代になると主要街道の宿は、江戸に参勤する大名にとっても、旅人や商人にとっても、なくてはならない場所となる。宿は繁華街の賑わいを呈し、街道に沿って旅籠が並ぶ宿場から、遊女たちの声が聞こえてきた。

 長い間、宿に主役の名をわたしてきた駅が、明治時代になってふたたび人々の注目を集める場所となって復活した。1872(明治5)年に日本初の鉄道が、新橋と横浜の間を走り出したからである。

富国強兵を急ぐ明治政府は、驚異的な速さで鉄道建設を進め、全国各地に駅が誕生した。駅と言えば鉄道の駅のことであり、駅前通りはその町の目抜き通りになっていった。その時代がざっと100年続いた。

現在は駅と言っても、鉄道の駅とは限らない。道の駅、海の駅、まちの駅、里の駅などさまざまな駅がある。山の駅、川の駅、水の駅、風の駅、森の駅などもあるらしい。

でも数の多いのはやはり鉄道の駅である。地下鉄、路面電車、モノレールも含めて鉄道の駅は、全国で9716駅あるという。道の駅は1040カ所。

海と陸どちらからでもアプローチできるマリンレジャーの振興拠点としてつくられたのが、海の駅である。発祥の地は瀬戸内海で、2000(平成12)年に設置された「ゆたかの海の駅」(広島県豊町)が第1号で、今は150ほどに増えているらしい。その一つを訪ねてみた。

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